知っておきたいなぜ勉強をするのか?楽問(がくもん)のすすめ

公開日: : 楽問(がくもん)のすすめ

なぜ勉強をするのか?

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答えは様々でどれが正解というのはないのでしょうが、とりあえず私が採用しているのは

体感をもって抽象度を上げること

です。その練習をしているというわけです。「抽象度を上げる」というのは、たとえば「言葉や数字を使って説明する」ということがまさにそのひとつです。

自動販売機で120円のアイスクリームを買うために200円を入れおつりが80円でした

は具体的ですが、

これを

200-120=80

で表す。これが「抽象度を上げる」ということです。逆に上げることができることは下げることもできるので、式を見て上のような状況を具体的に思い浮かべることができるというわけです。

それをより体感すること

「楽問(がくもん)のすすめ」では「体感」ということを繰り返し言いますが、それを理解するのに格好となる文献を見つけました。

「ぼくには数字が風景に見える」(ダニエル・タメット著 古屋美登里訳 講談社)です。

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著者であるダニエル・タメットさんは“数学と語学の天才”と称されており、たとえば2004年には円周率の暗唱でヨーロッパ記録を樹立しました。

ただ、自分で水を差すようですが、たとえば「不完全性定理」を構築した20世紀の天才数学者クルト・ゲーデルが言われるような“天才”
とはどこか一緒にできない感じもします。

いずれにしても、ダニエルさんの能力は、同じ人間としての可能性を知らしめてくれるという意味でとても興味深いものです。そして勉強をすることの意味についても教えてくれています。

「体感」というのは、ダニエルさんの次の言葉に表れています。


数字はぼくの友だちで、いつでもそばにある。ひとつひとつの数字はかけがえのないもので、それぞれに独自の「個性」がある。11は人なつこく、5は騒々しい、4は内気で物静かだ(本文より)


何がすごいかというと、ダニエルさんは「素数」(7や13のように1とそれ自身以外では割ることができない数字)は「つるつるした感じ」がすると言っていますが、かなり大きな数字でもダニエルさんは一瞬でそれが素数かそうでないかを判別することができ、しかもその答えは正しいのです。“勝手に”言っているわけではないのです。

さて、抽象度を上げたり下げたりの練習について説明するのに次の問題をとりあげます。

部屋に27人の人がいます。全員が、一人ひとりと握手するとしたら、握手は全部で何回行われますか

ダニエルさんはまず、こんなシーンを思い浮かべます。


この問題を読んだとき、目を閉じて思い浮かべたのは、大きな泡の中にいるふたりの人間のことだ。そしてその大きな泡の横に、三人目の人が入った半分の大きさの泡がくっつく様子を思い浮かべた。大きな泡に入ったふたりが握手し、それぞれが、半分の大きさの泡に入った三人目の人と握手をする。



そして、泡に入った人が一人ずつ増えていくにつれ握手の回数が

1、3、6、10、15・・・

というように増えていくことに気が付きます。これが「抽象度を上げる」ということです。そして、それぞれの数字は


1+2
1+2+3
1+2+3+4
1+2+3+4+5
1+2+3+4+5+6


と表せることに気が付きます。これは

数字という抽象度の高い空間を操作する

という作業で、まさにそれが数学を学ぶ面白さだと私は思います。そして、「体感」を意識することでその作業をよりよくすることができるのです。

結局、加わる人は26人になるので答えは26番目の数字、つまり1+2+3+・・・26で「351」が答えとなるのです。

最後まで読んでくださりありがとうございます。



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