分母の有理化は何乗根でもできる
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最終更新日:2020/05/16
楽問(がくもん)のすすめ
\[ \frac{1}{ \sqrt{2} } \]
の分母の有理化を行うには、分母と分子それぞれに
\(\sqrt{2}\) をかけます。すると答えは
\[ \frac{ \sqrt{2} }{2} \]
となります。中学校で習う数学です。思い出しましたか?「ルートaを整数にするにはルートaをかければいい」という性質を利用しています。さて、3乗根以上の場合を考えるために、これを別の角度から考えます。
\[ \sqrt{2} ×\sqrt{2} =
2^{ \frac {1}{2}}×
2^{ \frac {1}{2}}=
2^{ \frac {1}{2}+\frac {1}{2}}=2\]
これは高校レベルの数学だったかな?ルート2にルート2をかけるという作業、これはつまり、累乗の2分の1に2分の1を足すという行為に他なりません。そう、この作業によって2の1乗、つまり2、整数になります。ここのところが理解できると、何乗根になろうと解くことができます。三乗根を考えます。累乗の3分の1に何を足すと1になるか。そう、3分の2です。
$2^{ \frac {1}{3}}×
2^{ \frac {2}{3}}=2$
ですから表記をかえて三乗根の分母の有理化をすると
\[ \frac
{ \sqrt[3]{2}^{2}} {\sqrt[3]{2} ×\sqrt[3]{2}
^{2}}=\frac{\sqrt[3]{2}^{2}} {2} \]
です。次にn乗根の場合を考えます。これがわかると、後はnにとりあえずどんな自然数(自然数以外の場合はここでは取り扱わないこととします)を入れても成立することが証明されます。
\[ \frac{1}{ \sqrt[n]{2} } \]
これは
$2^{ \frac {1}{n}}$
と記すことができます。n分の1に何を足せば1になるか?n分のn-1です。ここから公式を導き出します。2のn乗根の分母の有理化は、
\[ \frac
{ \sqrt[n]{2}^{n-1}} {\sqrt[n]{2} \sqrt[n]{2}
^{n-1}} \]
という公式で導くことができます。分母の有理化自体はやり方を覚えて繰り返し問題を解けばできるようになりますが、こんな感じで自分で考えてみると数学が楽しくなります。
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