ソロモンの偽証柏木君はなぜ自殺した?満たされなかった愛情
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最終更新日:2016/12/30
コラム
ソロモンの偽証
面白かった。視聴後、いろいろな「ネタバレ」サイトを読んでみましたが、自殺した柏木君に対するむしろ「怒り」ともとれる反応があったこと、それに対して、児童福祉にたずさわるものとして考えをまとめておきたくなりました。
物語をみていない方にとっても読める内容にしてあります。
柏木君は、周囲への「攻撃」に凄まじいものがありました。新任の担任が「生徒に好かれようとしているのを見透かされていた」と感じるその目つき。友人がいじめられているのを見て見ぬふりをしたことで、「口先だけの偽善者」と言われた女の子。そして、父親が殺人犯であることを「お前もいずれ人を殺すんだ」と言われた柏木君にとって唯一の友達。
結局、この友達はその罵倒に耐え切れず柏木君を見捨てました。その後、柏木君は自殺をしたのです。
私は、「柏木君は受けとめられ欲求が満たされてこなかったんだ」ということに気が付きました。
受けとめられ欲求とは?
3歳や4歳くらいの子ども。「べたべた」「ねえねえ」と、くっつきたいという衝動。ある評論家は「甘え」といい、ある方は「愛着行動」と言いましたが、私は「受けとめられ欲求」という、評論家の芹沢俊介さんの言葉を使っています。
芹沢さんは、この「受けとめられ欲求」は真っ先にかつ無条件で受けとめられなければならない、と言います。
これが満たされないとどうなるか?それは、満たされるまで続く、ということです。といっても、成長するにつれて、子どもが親に甘えるように「べたべた」くっつくわけではありません。
逆に、攻撃するのです。
なぜか?「どうせ受けとめてくれないんだ」という思いがあるからです。そして、友人に対してはさらに攻撃的になります。それは「こんなに攻撃しても、それでも受けとめてくれるのか?」という思いがあるからです。
この物語の柏木君がそうであると、私は思ったのです。
私も“参加”している本の紹介です。小林正観さんという作家、かつて私がお世話になっていた方ですが、生涯で60冊くらいの本をお書きになりました。たとえばコチラです。
http://www.diamond.co.jp/book/9784478061879.html
すでに故人ですが、私を含め正観さんから学んできた人々が原稿を持ち寄って本が出版されています。出版コードを取得している出版社からの出版ではありませんが、数千部は発行されていると思われます。2017年1月には第三弾が発売予定。
内容は、それぞれの人が正観さんから教わった内容です。私にとっては社長でもあった方で、仕事のことを切り口に生き方などを教わりました。そんな内容が、私で8ページくらい、掲載されています。