アレン・フランセス「セービングノーマル」。診断のインフレとは?
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最終更新日:2017/01/28
コラム
2016年5月1日
子どもに関わる仕事をするものとして、そして5歳の娘の父親として、最近、私が勉強を始めたのが、「発達障害」です。
といっても、発達障害について学んでいるのではなく、「発達障害による“現代の魔女狩り”」について学んでいるのです。
診断のインフレによる精神医学の拡大する境界を警告し、それは正常が飲み込まれ、健康を気にする人に対する過剰な治療は、より重篤な病気を治療するという核となる使命から注意を逸らす事になると述べている。2013年、フランセスは「精神医学的な診断は、客観的な生物学的検査よりはいまだ不確実性のある主観的な判断に頼っている」と主張する Wikipediaより
私が学ぶ必要を感じているのはこういうことなのです。そして、英語の勉強をかねて、アレン・フランセスさんという、アメリカの精神科医のブログ「saving normal」を参考にしています。
その勉強の成果を、逐一、このブログに書きたいと思います。その方が、私の頭の整理になるという理由もあります。
アレン・フランセスさんは、「DSM」の第四版の編集長だった方です。DSMとは、精神障害の定義を提供するもので、実際に、これをもとに私たちは病院で「統合失調症ですね」「ADHDですね」「自閉症ですね」などと診断をされるのです。
その編集長自身が、このDSMによる診断のインフレ、つまり「過剰診断」を警告しているのです。
このDSMにより、発達障害のひとつであるADHD(注意欠陥多動性症候群)は3倍に、自閉症は20倍に増加しました。
そして、精神障害の治療に使われるのはもちろん薬です。向精神薬の売り上げ高が右肩上がりなのはいうまでもありません。
子どもがいる方は、ある日、とつぜん学校から呼び出され、「お子さんはADHDです」と医者で診断をするよう言われ、病院でADHDと診断され、その日から薬の服用開始、そんなことも実際に起こっているのです。
誤解を招きやすい考えの一つが、精神科の問題はすべて化学的アンバランスによるもので、服薬で病気が治るという考え方です。この考えによって、製薬会社は過去30年にわたって薬を売ることができたわけです
精神にまつわる病気が薬で治るというのは誤解、アレンさんは2012年にそのように言っています。