子どもに禁止した方がいいのか?ゲーム脳にネトゲ脳を考える
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コラム
「ゲーム脳の恐怖」という本がベストセラーになったことがあります。
これが本当の話ならば、小学2年生のとき、つまりファミリーコンピューターが発売されたときから20歳くらいまでゲームをやり続けていた私の脳は間違いなく「ゲーム脳」ということになってしまいます。
さらに同じ著者が近年「ネトゲ脳」という言葉を編み出しています。
なぜ興味があるか?
現在は子どもに関わる仕事をしていますが、子どもがゲームをやることが気に入らない親や施設職員にとっては、「ゲーム脳」という発想は追い風になるのかもしれません。
とある自分の子どもを精神病院に入院させた親は、とても勉強熱心で、この「ゲーム脳」についても詳しいような印象でした。
タバコについて。私が子どもの頃は、父親が家で堂々と吸っていて、私も煙ならばどれだけ吸い込んだかわかりません。
ただ、その煙がそんなに気になっていたわけではありません。
気になり始めたのは、“嫌煙”が言われるようになり、自分の耳にも
タバコは吸わない方がいい
みたいな情報が入り始めた頃でした。大学受験のため電車に3時間くらい乗ったとき。父親が一緒だったので、とうじは存在していた喫煙車に乗りましたが、その3時間が苦痛だったことを覚えています。
つまり、情報によって好悪の感情が左右されているのではないか、という疑問があるのです。
ただ、実社会でタバコがそれほど言われないのは吸うのが大人だからでしょう。ゲームについては、自分がやらなければいくらでも言えてしまいます。
とはいえ、ゲームをやり続けている子どもを、
だいじょうぶか?
そう思う自分がときどきいます。ただ
何でそう思うのか?
と問われると特に根拠がありません。
そこで、「ゲーム脳」に反対する側の意見を自分なりに整理して頭に入れておこうと思い立ったのです。
ノストラダムスの大予言
かつて、五島勉という作家の「ノストラダムスの大予言」という本が大ベストセラーとなりました。
私は本は買っていませんが、1999年7月が近くにつれてテレビでさかんに放送されるのを好んでみていました。おそらく何かしらの影響は受けていたでしょう。
結果はもちろん何も起きませんでした。
その後、売れない作家の五島勉さんが自分の原稿をあるやり手の編集者のところに持ち込んだところ
こうしたら売れる
という流れで「ノストラダムスの大予言」が誕生した、そんないきさつなどを学びました。
Wikipediaの情報によりますが、五島勉さんは、
人類が回避することができる警告だった
という“ありがちな”答弁をしているそうですが、今でも“予言本”を出版しているところをみると、懲りていないようです。
お手玉で簡単に解消できる
「テレビゲームのちょっといいお話3」という無料で配布されている資料があります。
http://research.cesa.or.jp/handbook/handbook2006.pdf
この中で、府元晶という方がゲーム脳について語っています。
「ゲーム脳」とは何か?~「日本人として非常に恥ずかしい」
この資料を読めば大体事情はわかりますが、少々長いので私が興味を持った部分を抜き出します。
認知症の脳派とゲームをしたときの脳派が似ている
おそらく「ゲーム脳の恐怖」で恐怖を植え付けられるのはこのような記述によってではないかと思います。
自分の子どもが若年性認知症になる
そう考えたらいてもたってもいられなくなる、そんな心境になってしまうのかもしれません。
「ゲーム脳」は具体的にいうと、
α波が多くなる
β波が少なくなる
のですが、これはいわゆる“リラックス状態”で、異常な状態ではありません。
著者は、「ゲーム」だけについて述べているのではなく、
パソコンの操作、携帯のメール、将棋やそろばん
それらでも「ゲーム脳」になることを認めています。
さらに他の研究者によると
朗読、カードゲーム、テレビ、音楽、肩たたき、座禅、精神集中
これらでも「ゲーム脳」に似た状態になるそうです。
ここまでくると、別にゲームだけを問題にする意味がありません。
少年犯罪が増えた
少年犯罪とテレビゲームの関係が言われることがありますが、少年犯罪が増えたという事実はありません。
そして、著書の中では、
10年間ゲームをやってきた大学生が一日5分のお手玉をやったら2週間で改善した
とあるので、そもそもそんなに大した問題ではなさそうです。
私の周囲にいる子どもたちも確かにゲームをし続けていますが、特にキレやすいという傾向はありません。
最初に「私はゲーム脳だということになる」と書きましたが、仮にゲーム脳というものが存在するにしても、私は趣味でジャグリングをやるので大丈夫ですね。