心理テストやカウンセリングをうのみにしないために知っておこう

公開日: : コラム

スクールカウンセラーなどとどう関わっていくか


ひとりの親として、そして子どもに関わる仕事をしているものとして最近そんなことを考えています。

心理カウンセリングなんか自分の方から関わらなければ関係ない

と今までは思っていたのですが、そうもいかなくなってきたみたいです。

教育と福祉

この分野では、いわゆる“心理学”の影響力が少なからずあるのです。
私はそれが

いいかわるいか

そんなことはわかりません。ただ、

自分がどうそれらと距離をとるか

ということは考えているのです。




心理テストとは?


私が考えるのに参考にしたのが、「心理学は子どもの味方か?」(小沢牧子著 ウイ書房)と「心理学化する社会」(斎藤環著 河出文庫)です。


「心理テスト」というと、テレビのバラエティ番組でも行われているくらいですが、とりあえずそれはおいておくことにして、教育や福祉の分野で行われているものについて考えてみます。


なぜだか、福祉の世界に来ざるをえなくなった子どもたちはことごとく

心理判定

を受けます。“それが子どもを理解するのに不可欠”と言わんばかりです。

結果次第では、行政から手厚いサービスが受けられることもありますので、それは

子どもの利益になる

と認めているところもあります。


心理テストの始まりとされているのが、1890年に誕生した「メンタルテスト」です。この言葉を最初に使ったキャッテルは、

ある訓練に適した人間を選ぶ

心の病気を見つける


そんなことにこのテストが役立つのではないかと考えていました。


いわゆる“IQテスト”つまり「知能テスト」を考案したのはフランスのビネーで、それは1905年のことです。ビネーは、パリの教育長から

精神的に劣った子どもを分類する

そんなテストの作成を依頼されたのです。


つまり、少なくとも当初は、心理テストというのは

人間を分類する

ための方法論だったのです。
それらがアメリカで発展し、戦争を経験することで広まりました。
軍人の選別は各国にとって早急の課題だったのです。


戦後、それが教育現場で用いられるようになった経緯は想像できます。そして教育で用いられたことは福祉にも入ってきますので、現在のような状況になったのでしょう。

私は“懐疑派”のため、そっちに寄った文章になってしまいました。少なくとも現時点で、心理テストが子どものために役に立っているという認識はありません。この先はわかりませんが。

みなさんはどう距離をとりますか?

.



カウンセリングとは?


カウンセリングについては、実際に身近でそれを受けた子どもが

気持ちが楽になった

と言っている限り否定はできませんが、ただ

違和感

は感じています。


この分野に影響を与えたのがロジャーズという心理学者で、もとは児童相談所の職員というから驚きです。

福祉から始まったのか.

というのが驚きなのです。

このロジャーズが1942年に発表した「カウンセリング心理療法」という著作がもとになりアメリカでブームを巻き起こし、それが日本にやってきたわけです。

ロジャーズ法はどんな方法なのか?

その特徴は

・クライアントの自発的な選択、決定に任せる
・対立や議論をしない
・クライアントに支持的に耳を傾ける


です。
「指示的」ではなく「支持的」なのです。


私が無関係でいられなくなったのが、私が関わる女の子がカウンセラーに

私といると緊張する

ということを訴えたからです。

カウンセラーは、それを支持的に共感し、そのまま私に伝えてきたわけです。

それが

いいかわるいか

という評価はしません。


このように受け入れられているロジャーズも、実は尊敬する人物から批判されているのです。

それが、ブーバーという哲学者で、



人間がますます個人として成長していくというのは、必ずしもますます人間らしくなっていくことではない




と言っています。


ブーバーについてはその言葉を残しておくにとどめますが、私の違和感は次の小沢牧子さんの次の言葉が近いように思います。




カウンセリングとは、そのような知識・技術をもつカウンセラーと、ただのしろうとであるクライエントの上下関係にもとづく、特殊な対話の姿である





そう、その“特殊な対話”において子どもが発言したことを

真実

として受け入れることに何か抵抗があるのです。

それは私たち現場の人間の問題でしょうが、カウンセリングの“成功話”は、

問題ある家庭がある

子どもがカウンセラーに“ホンネ”を話す(ほぼ親への不満)

カウンセラーがそれを親に伝える

親が改心する


だいたいこんな感じですが、その家庭がその後どうなったかまでは触れられないのがほとんどです。

この図式の中の「ホンネ」のところに疑問があるわけです。

まだ考え中なので何か中途半端で終わってしまいますが、子どもがいる方は「心理学」に対して他人事ではいられないと思います。

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