やっぱりさとりは身の回りにある⑥親孝ラー
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最終更新日:2022/02/15
やっぱりさとりは身の回りにある
私が好きな人物にみうらじゅんさんがいます。「親孝ラー」というのは-このように漢字で書くのかどうかはわかりません-みうらさんの造語です。「親孝行も『ロックンローラー』のような響きを持てば格好いいと思えるのではないか」というのがその趣旨です。
みうらさんについて知らない方のために説明しておきますと、三浦さんは造語の“天才”で、「マイブーム」や「ゆるキャラ」という言葉の生みの親です。今でこそ多くの自治体がこぞってゆるキャラをPRしていますが、最初は「失礼だ」と怒られたということをみうらさんが語っていました。自分たちが一生懸命考え、生み出したキャラクターを「ゆるい」と言われたことに対する抵抗でしょうか。
親孝行をするする人のこと「親孝ラー」と呼びますが、それは「プレイである」というのです。どういう意味かというと、「親孝行は演じなさい」ということです。人はいつ死ぬかわからないのだから、親孝行をする気持ちになるのを待っている時間はない。だから親孝行をする子どもという役を演じてみるということです。「嫌われ役」があるのなら「親孝行役」があってもいいですよね。
私はみうらさんの話を聞いていて、「ありがとう」もプレイだな、と思いました。私は正観さんの本を読んだことがきっかけで、親に「ありがとう」を-おそらく生まれて初めて-言うことができました。27歳か28歳のときのことです。それは正観さんが「心を込めなくてもいい」と言ってくれたからです。もし、親に感謝しなさい、あなたの親がこれまでどれだけあなたのために…という話だったら、聞けば聞くほど気持ちが重たくなるだけで「ありがとう」の言葉が口から出てくることはなかったかもしれません。「心を込めなくてもいい」「演じればいい」と言われたほうが心が軽くなります。私は親に「ありがとう」を言う役を演じることで、それができるようになりました。
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