おかげさまを意識すると人生が面白くなる㉔大漁


「大漁」という詩があります。金子みすずさんの詩です。




大漁





朝やけ小やけだ大漁だ
大ばいわしの大漁だ
はまは祭りのようだけど
海の中では
何万のいわしのとむらい
するだろう




私の祖母の家は海の近くにあり、昔は漁業が盛んでした。子どものころ、市場で行われた祭りには毎年参加していました。今はすっかり寂れてしまい、祭りも行われなくなりました。「昔は漁業で御殿が経った」という話もしばしば聞きました。そういう話を刷り込まれているので、大人になってその町に行くたびに何か寂しい感じがするのですが、それはあくまで人間の視点で、海の中では魚たちが祭りをしているのかもしれません。




この詩は人間を責めているわけではないと思います。視点を変えて、喜びも悲しみも光も影もトータルに見ることができれば、この詩にあるような“妙”が出るのかもしれません。妙とは「不思議なくらいにすぐれているさま」と定義されますが、優も劣も超えたところにある表現がこの言葉です。金子みすずさんはきっとそんな境地で詠まれていたのでしょう。








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