小林正観さんからこう聞いた第四章⑥受け入れる
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最終更新日:2022/08/23
小林正観さんからこう聞いた
61歳で亡くなる、とおかげさまから聞いていた正観さんの寿命は西洋医学的な治療を受けることで一年間のびました。その辺の話は西本先生の著書「奇跡のセイカン」に詳しく書かれています。その一年間は私にとっても、特に正観さんから直接教わることができた時期だったと書きました。そして、正観さんの「受け入れる」という実践を身近で感じることのできた一年でした。一度は講演会の予定、二年間分をすべてキャンセルしましたが、再び講演会や合宿の予定が入り、正観さんの休みのない生活が再び始まりました。そのときには人工透析を始めていたので、講演会先や合宿先で人工透析が受けられる病院を探し、昼に人工透析を受け夜は講演会や合宿という、むしろこれまでよりさらに忙しい日々になりました。もちろん本は書き続けています。私はといえば、いつどうなるかわからない正観さんの病状、そして会社、自分や家族の生活の心配で心が張り裂けそうでした。正観さんは相変わらず淡々としていました。その姿そのものが、まさに「受け入れる」「お任せする」という実践者の姿であり説明は不要でした。私はそのときすでに正観さんから三年間近く学んでいましたが、まったく実践ができていない自分を知ることになりました。
受け入れる、という実践。傍からみるといたって普通なのです。「この人は受け入れる実践をしているなあ。すごいなあ」と周囲が思うような派手さはありません。正観さんを知らない人から見たら普通の人にしか思えないかもしれません。そのときの正観さんの状況を知れば知るほど、普通でいられることが奇跡、ということがわかります。
私にとって正観さんの晩年の一年は衝撃的でしたが、ご本人にとってはそれまでと何も変わらない一年だったのかもしれません。
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