小林正観さんからこう聞いた第二章①話す力

公開日: : 小林正観さんからこう聞いた


 第二章では、私が正観さんから仕事上で教わったことについてあれこれ綴ります。それは今でも、というより年が過ぎれば過ぎるほど私に気付きをもたらしてくれるものです。「そういえば正観さんからこんなことを教わったなあ」「正観さんの〇〇のおかげでいつのまにかこんな力がついていたのか」など、現在でもまだまだ掘り起こされてきます。




 SKPに入社後の最初の仕事は合宿のスタッフでした。伊豆正観荘での合宿です。2月には客として初めて光楽園の合宿に参加をし、4月にはもうスタッフとして参加することになったのです。これは有名な話ですが、正観さんが会社に出勤をすることは年に一回もありませんでした。ですから、私が正観さんに会うのも光楽園での合宿以来ということになります。改めて考えると不思議ですが、3年半私は正観さんのもとでお仕事をさせていただきましたが、実際に正観さんにお会いするのは、私が講演会や合宿に参加するときだけでした(私は正観さんの運転手を務めることになりますので、車中も含めてです)。




 伊豆正観荘での合宿は2ヵ月に一回のペースで行われました。私は毎回参加しましたから、他の合宿への参加も合わせると30回くらいは参加したでしょうか。その中で私に培われた力のひとつが「話す力」です。合宿の茶話会では、自分がどういう人間であるかを話すことを繰り返しました。正観さんのもとに集まった方々にとっては当たり前のことかもしれませんが、実は大人になっても苦手な方は多いようです。それは、「自分がどう思われるか」「自分がどう見られるか」を意識しすぎるためです。幸い、正観さんの合宿に集まる方々は、他の人々の話を否定的に捉えることはしないので、話せば話すほど楽しくなり、自然に話す力がついたのだと言えます。このような意味では、昨今の若い人たちは、SNSで自分を表現することがとても上手です。自分をさらけだすことに抵抗がないのは、むしろ見習いたいところです。




 他には、こういうシーンが思い起こされます。茶話会や講演会で正観さんが質問を投げかけたとき、ついつい他の人を顔を見てしまいます。つまり、お互いに顔を見合わせることになります。正観さんはそんなとき「他の人はどうでもいい。自分が『はい』なら手をあげる。それだけです」と言っていました。私たちは、まず「他人がどうするか」が気になって仕方がない存在のようです。




「自分がどう生きるかだけ」という正観さんの教えは、そういう日常生活の中にちりばめられていたのです。




 人前で歌を歌ったり芸をしたりすることもそうです。「緊張するのは、よく見られようとするからです」と正観さんから言われたことがあります。私も最初は恥ずかしかったのですが、いつのまにか「どう思われてもいいや」という気持ちになっており、物真似をしたりするのが楽しく、「次は何をしようか」とワクワクするようにまでなりました。




 

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