小林正観さんからこう聞いた第一章⑦トイレそうじ
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小林正観さんからこう聞いた
私の横浜での生活が始まりました。正観さんの会社SKPの一員として働くことになったのです。さて、正観さんの宇宙法則の中で、仕事といえばトイレそうじが思い浮かびます。そのときの私も「(正観さんの下で働くことができるのは)トイレそうじのおかげだ」と思いました。ある講演会の主催者さんと親しくなり「正観さんの話を聞いてトイレそうじを始めたんです」と伝えたところ、「今は矢を引っ張ているところ。いずれ放たれるよ」と言われたことがあります。まさにSKPで働くことが決まったのは私にとって矢が放たれた瞬間でした。
私がトイレそうじを始めた理由は「お金や仕事に困らなくなる」という宇宙法則を知ったからですが、続けられているのはトイレそうじをした後のすっきり感です。自分が使ったトイレはピカピカにしてから出る、という実践は今でも続けていますが、そのすっきり感は今でもあります。ただ、始めた頃のすっきり感は強烈でした。それだけ当時の私の心にはいろいろ詰まったものがあったのかもしれません。やり始めた頃は、使ったトイレだけでは飽き足らず、駅やデパートや公園のトイレを巡って掃除をしていました。特に汚れているトイレほど効果があるような気がして積極的にそうじをしました。繁華街近くのトイレはいつも汚れていたので私にとってはホットスポットでした。ただ、数ヵ月続けた頃、そのトイレが汚れなくなりました。これは、後に正観さんが「そういう宇宙法則があるみたいです」と言ったことですが、「トイレ掃除をやり続けると汚れたトイレに出会わなくなる」というものです。確かに、今はほとんど汚れたトイレに出くわしません。最初は、「世の中にトイレ掃除をやる人が増えたのかな」と思ったほどです。この現象は「ブロークンウインドウ理論」で説明できるかもしれません。これは、「割れた窓を放置していると、それに引きずられて他の窓も割られるようになる」、つまり荒れた状況がそこにいる人のモラルの低下を引き起こしてしまう、という理論です。私の自宅の前は、どぶ川が流れておりその前のフェンスもボロボロで雑草も生え放題です。そして、空き缶やタバコのポイ捨てがよくあります。私はできるかぎり草取りをしたり、空き缶や吸い殻は見つけしだい拾うようにしています。すると、しばらくは捨てられることがなくなります。ですから、ゴミ拾いやトイレそうじは自分の損得勘定でやるのが正観流ではありますが、そこを通る他の人たちの心にも影響を与えているということになります。
ところで、コンビニのトイレに「きれいに使ってくださりありがとうございます」という張り紙があるのを見たことはありませんか。私の知人は「嫌味ねえ」と言っていましたが(笑)、そういうことではありません。それは、あるひとつのコンビニから始まったことです。そのコンビニは繁華街にあり、泥酔した客が利用をするためトイレが滅茶苦茶汚されていました。「きれいに使ってください」と張り紙をしてもまったく効果がありません。万策尽きて途方にくれたとき、オーナーは考えました。「トイレをきれいに使っているお客さんもいる。むしろそういうお客さんのほうが大多数だ。自分はそういうお客さんに感謝をしたことがなかった」と。それで誕生したのが、今現在ではよく見かける「きれいに使ってくださりありがとうございます」という張り紙なのです。そして、そのように言葉を変えたところ、本当にトイレが汚れなくなったそうなのです。
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