小林正観さんからこう聞いた第一章④合宿

公開日: : 小林正観さんからこう聞いた


 全国各地で行われる正観さんの講演会に参加するようになったとき、「合宿も楽しいよ」と誘われるがままに、私は正観さんの合宿に参加することになりました。2008年2月の、兵庫県穴粟市にある光楽園で行われた合宿です。




 ここで、知らない方のために正観さんの合宿について説明しておきます。最終的には、正観さんの合宿所は三ヶ所、光楽園、伊豆正観荘、赤城正観荘になりました。集まった人たちが4泊5日そこで寝泊まりをします。1泊や2泊だけの参加でもオーケーでしたが、正観さんは、参加するならば全泊での参加をすすめていました。「1泊や2泊だと変わらないんですよね」という言い方をされていたのを聞いた記憶があります。基本的に人に何かをすすめたりすることがなかった正観さんがこのように言うことに私は逆に意味を感じたもので、当然、私も参加するときは全泊で参加しました。合宿ではやることは何も決まっていません。食事と茶話会の時間は決まっていますが、後は、どこで何をしようが基本的に自由です。みんなでワークをしたりということは一切ありませんでした。思い立って昼にみんなで遊びに出かけることはよくありました。夜の茶話会では、参加者一人ひとりが自己紹介をします。その中で、自分が今抱えている悩みを話したりすることはオーケーですが、自分以外の人のことについて話すことはNG。「こんな素晴らしい方がいて」という楽しい話ならオーケーですが。正観さんは参加者の話を聞いて、何かコメントや話が思い浮かぶとそのつど口を開いていました。




「自分以外の人について話すことはNG」についてもう少し詳しく説明します。正観さんは学生時代から人生相談を持ち込まれたそうなのですが、ある時期から相談内容が変わってきたそうです。それは、人々が自分のことではなく、「私の息子が・・・」「私の夫が・・・」「会社にこんな上司がいて・・・」と、自分以外の人のことについて話すようになったのです。そして、それは悩みというよりは愚痴。ようするに、「息子のここが気に入らない」「夫のここが気に入らない」「上司のここが気に入らない」と言っているのと同じことなのです。正観さんは「自分自身がどう生きるか」ということについては、いくらでも時間を割いて相談にのってくれましたが、自分以外の人について何とかしてほしい、という相談にのることはできませんでした。もちろん、愚痴というのは「ただ聞いてほしい」という性質のものであることは私も理解しています。ただ、合宿というのは、正観さんと話ができることを楽しみにしている多くの方が全国から集まる場です。それを、一人の方の愚痴をみんなで聞き続けるということに時間を費やしてしまうのはどこかおかしい気がします。




 その後、私はスタッフとして合宿に参加することになりますが、正観さんから言われていたことがあります。それは、「初参加の人から大切にしてください」ということ。そういう方たちと積極的に話をするように言われていました。合宿には常連さんと呼ばれる方々もたくさんいました。そういう方たちは、常連同士で勝手にワイワイ楽しくやります。その一方で、合宿に慣れていない方たちが話し相手もおらず孤独になってしまう。そうならないようにスタッフが気を配るように気を付けていたのです。




 さて、その光楽園の合宿の茶話会で私は自分の過去を正観さんやみなさんに話しました。




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