小林正観さんからこう聞いた第一章②精神世界

公開日: : 小林正観さんからこう聞いた


 正観さんは、「私は精神世界の人間ではありません」とおっしゃっていました。正観さんは唯物論者です。しかし、正観さんの話には神や生まれ変わりや魂の話が出てきます。そして何より、正観さんご自身が、“おかげさま”という存在から情報を得ていたわけですから、そう思われてしまうのは仕方がないことかもしれません。ですから、精神世界や宗教的な本だと思われ最初から毛嫌いする方もいると思います。「私の本を読んで興味を持つのは10人に1人くらいです」と正観さんがおっしゃっていたことがあります。正確な数字は忘れましたが、私にはあまりにも正観さんの本が面白く思われたため、その数字の低さが意外だったことを覚えています。




 正観さんはそれに対して次のような態度をとってきたそうです。自分の話に興味がない人にどうやって興味を持ってもらうか、批判する人をどうやって納得させるか、そういう方向にはエネルギーを注がなかった。これは、世間一般の価値観とは真逆です。私は、20代の前半までとある宗教団体に属していましたが、そこでは団体の教えをいかに広めるかということにエネルギーを注いでいました。私も自分の友人や知人に団体への入会をすすめる活動を積極的にしていましたが、興味のない人たちをいかに説得するか、説得ができることが価値あることだと信じていました。そういう私にとって正観さんの態度はとても新鮮でした。正観さんは、そのエネルギーを、自分の話に興味を持ってくれる人に100%注ぎ込んでいました。




 ところで、正観さんの話の内容が私の中に違和感なく入ってきたのには前段階があったからだと思います。私は22歳ごろから宗教や哲学、精神世界の本を読み漁っていたのです。ですから、正観さんの話の内容には既に聞いて知っていたことも多くありました。




 私は、子どもの頃から勉強が得意だったこともあり、大学を卒業して就職するまでは一般的に順調な人生を送っていました。しかし社会を出て一年も経たないうちに軽いノイローゼになってしまいました。病院に行ったわけではないので本当のところはわかりませんが、とても仕事に行ける状態ではなくなったのです。私は仕事を辞めて実家に戻りました。それから、親の勧めで宗教活動を始め、それがきっかけで仏教の本を読み漁ったり、その宗教団体を辞めた後は精神世界の本などを読み始めたのです。その頃、年に一回は「生きててもしょうがないかな」といった自己否定的な思いに襲われることもありました。精神世界の本や話は読んだり聞いたりするだけで一時的に元気になれる薬のような効果がありました。あくまで当時の私にとってはの話です。おそらくですが、私が、いい大学を出ていい会社に就職し多くのお金を稼いで成功することが価値ある人生だという考えに凝り固まっており、精神世界の話にはそれを溶かす効果があったからでしょう。現在も精神世界やスピリチュアルの本は読みますが、数学や歴史、文学やノンフィクション、様々なジャンルの中のひとつとして捉えています。

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