小林正観さんからこう聞いた第一章③頼まれごと

公開日: : 小林正観さんからこう聞いた


 私が住んでいた島根県で正観さんの講演会が開催されたのは年に1回か2回でした。私はそれに飽き足らず、アルバイトの休みを利用して旅行がてら他県へ出かけては、正観さんの講演会に参加していました。講演会の後の二次会に参加することも楽しみで、そこでは参加者一人ひとりに自己紹介をする機会が与えられたので、少しだけ正観さんに近づいたという感覚を得ることができたのです。ある二次会の自己紹介で、私が「自分もダジャレを言ってみようかなと思っている」と発言したところ、正観さんが「ダジャレは質ではなくて量です」と返してくれたこと。また、別の講演会の二次会で、私が「喜ばれるお金の使い方の話を聞いて、今日、講演会に来る前に募金をしました」と言ったことに正観さんが拍手をしてくれたことなどをよく覚えています。




 山口県光市の講演会に何度か参加したことがありますが、あるとき主催者さんが正観さんとの食事に誘ってくださいました。講演会の会場は毎回ホテル松原屋と決まっており、正観さんはそこに宿泊もし次の講演会場へと向かうのが恒例でした。私もいつもそのホテルに宿泊していたので、誘っていただいたのだとお思います。私はとても緊張してしまって、その食事の場では正観さんとは一言だけ言葉を交わすことができただけで終わりましたが、正観さんは普段から淡々としているのだということがそこでわかりました。講演会や二次会では淡々としているけど普段はどうなのだろうか、という疑問があったのです。正観さんの講演会での淡々とした喋り方は演出などではなく、普段のまま喋っているだけなのです。人前で話をするときに緊張をするのは「上手く話そう、よく見られようとしているから」と正観さんはおっしゃいます。ただ、正観さんの淡々とした話し方は、ただ緊張しない人というだけではなく、それ以上の何かがあると感じていました。




 その後、私は講演会で出会った方々にすすめられ、見方道アドバイザー講座や合宿に参加することになります。当時の私の収入からして参加費は決して安いものではありませんでしたが、不思議とその時は苦もなく払うことができました。正観さんの話では「頼まれごとは断らない」とあります。これは、仕事のことばかりではなく、このような誘い事も含まれています。ただ、私が頼まれごとを引き受けたり誘いに乗ったりするときは自然に「はい」と口から出ていることがほとんどです。正観さんの話を聞いた結果として「断らない」と決めて「はい」と言っているわけではありません。そして、その流れで引き受けたことは、お金のことも含めすべてがスムーズにいくということを経験してきました。ですから、正観さんの話を聞いて「頼まれごとや誘いは断ってはいけない」とは思っていません。実際に断ることもあります。正観さんもよく注意を促していましたが、精神世界には高額なセミナーも多くあります。それを「頼まれごとは断らない」と引き受けてしまい、お金のことで家族に迷惑をかけているという方もいると聞いています。




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