社長から教わった社会人の品格
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最終更新日:2020/08/12
社長から教わった社会人の品格
酒を武勇伝にしない
「昨日は終電ギリギリでした」「昨日はオールでした」職場で耳にするこんな発言。何気なくしていませんか。
私はある会社で社長のお付きの仕事をしていました。運転手として数日間、地方を旅するなんてことをしていました。社長の仕事が終わり、会食。その後、私は社長を車で滞在先のホテルまで送ります。そうしたら、私は自分が泊まるホテル(もちろん社長が泊まるホテルとは別の安ホテル)に戻ったらそこから一歩も出ませんでした。緊張から解き放たれて繁華街にでも繰り出したい。私もお酒が嫌いなわけではありません。
ではなぜ私はそのようにふるまうのか。私が何かトラブルに巻き込まれたら社長や相手先の会社に迷惑がかかるからです。自分がトラブルを起こすのは論外ですが、犯罪や事故の被害者になっても迷惑がかかってしまうというのが現実です。
プライベートで誰が何をしようかそれは自由です。ただ、たとえば社会人ならば研修や会議などで遠出をすることもあるでしょう。私のように「ホテルから出るな」というのは言い過ぎかもしれません。“夜”が楽しみで参加している方も多いと思います。ただ、それでも迂闊な行動をしていることに違いはありません。
せめて武勇伝のように言いふらすのはつつしみましょう。
遊びにお金を使ったことを吹聴しない
ある自営業を営んでいる方が友人や知人を囲む場でこんな話をしました。社長と私もその場にいました。「この間、パチンコに行って3万すりました」いわゆる「自虐ネタ」。私も気を付けていないと言ってしまいそうなネタです。今はギャンブルからは完全に足を洗いましたが。
ちなみに、お金から見放されてしまう使い方の3つが
・ギャンブル
・贅沢華美
・ため込むこと
給料が入ったら贅沢をして給料前にはカツカツ、という方がいると思いますが、私もそうでした。ここで言う「贅沢華美」とは、お金のあるなしに生活が左右されてしまうことです。日本では貯金を推奨する方も多いので「ため込むこと」というのは以外な気もしますが、お金というのは「流れるもの」。フランス語で「liquide」という単語は、現金を表すときにも使われます。「液体」という意味もありますから、まさにお金は液体のように流れるものなのです。私のところに入ってきたお金は私を通過していくべきでそこにとどまるのは不自然だという話です。
さて、戻りますが、その自営業を営んでいる方に社長はこのように言いました。「あなたに仕事を依頼する方は、あなたという人間にお金を払っているわけです。自分が払ったお金がギャンブルで散財されているということを知ったら、仕事の依頼を他のひとにきりかえるかもしれません。ですからそういう話を吹聴するのはやめましょう」
社長は「こうすべきだ」「これはしてはいけない」という言い方はしませんでした。あくまで「こうするとこうなるよ」ということを伝えていました。お酒も同様ですが、武勇伝を語るあなたを冷静に見つめている人たちはいるのです。
自分の長を口にしない 他人の短を口にしない
仕事をしていると周囲の評価にさらされてしまうのは仕方のないことです。そんな中、「自分は正当な評価を受けていない」と不満を持っている方も多いのではないでしょうか。店の売り上げのように数字で明確にわかることもありますが、仕事の多くは誰の実績なのかはっきりとはわからないほうが多いのではないでしょうか。誰だって「自分のおかげ」と思いたいもの。嫉妬という感情は、自己評価にくらべて周囲の評価が低いときに起こります。そんなとき、ついつい自分がやったということを吹聴したり、それに対して「いやいやそれは私が・・・」「自分だって」と反論をしていませんか。
そういう話というのは聞いていて気持ちのいいものではありません。それならば「彼がよくやりました」「それは彼女のいいところです」と自分以外の人たちのことを言ったほうがいいのではないでしょうか。
1995年、阪神大震災が起きたときに私財を投げうって被災者支援をした方がいました。その後、その方には講演会などの依頼が殺到したそうですが、ある講演会で「どうしてみなさんはそうしなかったのですか?」と口にしたそうです。その後、依頼は来なくなったとか。自分はすごいことをやった、みなさんはやっていない。このようなことをほのめかしただけで流れが変わってしまったのです。
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