先生、殴らないで!桑田真澄さん「体罰はダメ」

公開日: : コラム

最近読んだおすすめの本はこれです。
「先生、殴らないで!」(かもがわ出版)
私は、元プロ野球選手の桑田真澄さんの著書を探していてこの本に出会いました。4人の執筆者と2人の編集者、それと桑田さんへのインタビューで構成されています。内容は、タイトルからわかるように「体罰」についてです。

まずは、桑田さん自身が先輩や指導者から体罰を受けてきた、そんな経験を語っています。「体罰から逃れるにはどうしたらいいか?」、その答えとして「エースになる」というゴールを持ったそうです。実際にエースになり甲子園で活躍をしたら体罰は行われなくなったそうです。

私は桑田さんよりは下の世代ですが、中学校の野球部では体罰は行われていました。先輩からの体罰はなかったのですが、監督のビンタは日常茶飯事でしたね。

桑田さんのアンケートによると、過去に体罰を受けたことのある野球部出身者は50%だそうです。そして驚くべきことに、その中の80%が「体罰は絶対必要」「体罰はときには必要」と答えたそうです。

「ハイパーラポール」、私はその部分を読んだ瞬間にこの言葉が浮かびました。「ストックホルム症候群」と言われているものです。
人間は、生死に関わるような恐怖を与えられるとその恐怖を与えた人間に対して好意を抱いてしまう、という現象です。

私は児童福祉で虐待を受けたことのある子どもたちと出会うことがありますが、中には自分を虐待した存在のことを嬉しそうに話す子どもがいます。
そんなとき私は「ハイパーラポール」や「ストックホルム症候群」を疑うのです。

こんな話を桑田さんがあるスポーツ番組でしていたときに、ゲストのプロアスリート3人のうち2人は「体罰は必要」と答え、1人は「体罰はダメ」と答えました。その1人というのは格闘家のまさとさんで、ご自身は体罰を受けた経験はないそうです。「体罰は必要」と答えた2人は受けた経験がある、ということでした。

ちなみに私が忘れられないのは小学校6年生のときのこと。何をやったかは覚えていないのですが、私は他のクラスの担任にみんなの目の前で両方のほっぺたをつねられてグリグリとやられたことがあります。痛さは大したことがなかったのですが、友達の前でやられた悔しさは、今でも思い出すとこみあげてくることがあります。
その後、その先生とは廊下ですれ違ってもあいさつどころか目も合わせられなくなりました。今、どれだけ考えてもその先生のおかげで成長できたとは思っていません。

確かにわがままなところ(子どもですから)はあったと思いますが、ずっと変わらないで寄り添っていてくれる、やはりそんな大人のもとで自分の心は育まれてきたのではないかと思います。


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