福祉の世界で考えた釈迦の教え

公開日: : コラム

福祉の世界で働き始めて、けっこう「思想」がしっかりしていることに気が付きます。このブログでも断片的に取り上げてきたように思います。

仏教に興味をもって学んできた私にとっては、釈迦の教えに通じるものがあり面白いのですが、それだけに「ちょっと待てよ」と立ち止まりたくなる出来事にしばしば出会います。

具体的にどんな出来事かは置いておいて、それをきっかに「釈迦の教えって何?」ということについて考えました。仏教の専門家ではない私がいろいろな本を参考にまとめたことです。

釈迦は、目の前にいる悩み苦しんでいる人を解放する知恵を与えた、その知恵が集まったものがいちおう釈迦の教えと言えると思います。

「目の前にいる悩み苦しんでいる人を解放」するのが釈迦の教えなのですから、仏教においては「慈悲」だとか「救い」などと言われるのです。決して「こうあるべきだ」という道徳ではないのです。

釈迦の思想は本を読めば簡単に理解できます。それを他人に話すことは誰でもできます。ただ、それによって相手が追いつめられることがあったとしたら、それはすでに釈迦の教えではありません。まったく同じ内容、同じ教えなのに、それによって相手が苦しみから解放されるならば釈迦の教え、それによって追いつめられたら釈迦の教えではないという、だから「智恵」なんです。

教育や福祉の世界には素晴らしいことを言う人はたくさんいます。ただ、自分がそれを聞いていて不愉快になるなら、それは釈迦⁼ブッダの教えではない、ということもあるのです。

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