しくじり先生で星の王子さま!子供心を取り戻す
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楽問(がくもん)のすすめ
星の王子さま
フランス文学名作中の名作です。テレビ朝日放送の「しくじり先生」で、オリエンタルラジオの中田さんが「星の王子さま」について解説しました。私もそれをきっかけに久しぶりに読み返しましたが、6歳の娘をもつ親という視点で新しいことに気が付くことができました。
さて、この画像は何に見えますか?この絵を描いた主人公は大人にそのようにたずねます。大人たちはこれを「帽子」と答えます。
それは、象を消化している大ヘビだったのです。そこで、ぼくは、大ヘビの中が透けて見える絵を描きました。大人っていうのは、真実を見抜くことができないからです。「星の王子さま」(サン=テグジュペリ 浅岡夢二訳 ゴマブックス株式会社)
実際にこれをみて「象を消化している大ヘビ」と答えることのできる人はいないと思いますが(私の6歳の娘も「帽子」と答えました)、ここで「自分は子供心を忘れているのかなあ、柔軟性がなくなっているのかなあ」と思い出すことができればそれで十分。サンデクジュペリの世界に足を踏み入れています。
大人たちは主人公にこのようにいいます。
「そういうくだらない絵なんか描いていないで、地理や、歴史や、算数や、国語を勉強したほうがいいよ」
私は、ひとりの“大人”として大人にうんざりしている主人公に出会います。そして、主人公は星の王子さまと出会うのですが、私は二人のやりとりを傍らから見ている、そんな感じでしょうか。
「大人とはこういうものだ」、主人公がそう指摘する大人の姿に次のようなものがありますが心当たりがある方もいるのではないでしょうか。
たとえば、あなたが、大人たちに、新しくできた友だちのことを話そうとすれば、大人たちは、本質的なことについては何も質問しないでしょう。つまり、次のような質問は絶対にしないのです。
「どんな声をしているんですか?」
「どういう遊びが好きなんですか?」
「蝶々は集めていますか?」
その代わりに、こんな質問をするでしょう。
「何歳ですか?」
「きょうだいは何人いますか?」
「体重は何キロですか?」
「お父さんの年収はいくらですか?」
そして、それらの数字を知れば、友だちを知ったことになると思っているのです。
「星の王子さま」を読むと、ついつい子どもを大人のほうへ引っ張ろうとする自分から解放されます。気持ちが楽になるのは自分自身なんですね。
最後まで読んでくださりありがとうございます。