ボクシングで学ぶ英語「番狂わせ」に「かませ犬」
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楽問(がくもん)のすすめ
石田順祐VSジェームス・カークランド
2011年に、ボクシングの聖地ラスベガスのMGMグランドガーデンで行われたミドル級の8回戦です。石田選手はそのとき35歳。アメリカの地でチャンスを待っていました。そこへオファーを出したのがカークランドです。
カークランドは“スモール・タイソン”の異名を持つアメリカの人気ボクサーです。あのマイクタイソンと並び称されるほどの強さとスター性を持っている選手です。ただ、素行が大変わるく刑務所への入退所を繰り返しています。それでも普通にチャンスがあるのですからさすがアメリカ?でしょうか。そもそも日本ではタトゥーを入れている時点でプロにはなれません。
当然この試合の評価はカークランドのKO勝利で決まり。誰もがそう思っていました。ところが結果は・・・石田選手の1ラウンドTKO勝利だったのです。
これもさすがアメリカと言えると思いますが、試合後、勝った石田選手のもとに観客が殺到。“成功”をした人を惜しみなく称賛する姿はいいですね。
さて、試合後のインタビュー。主催者側も石田選手が勝つと思っていませんから通訳を用意していなかったという始末。石田選手サイドのスタッフ?の方が通訳をしました。
さて、ここからが英語授業。まず、インタビュアーが石田選手に対して言ったのが「あなたは・・・」
cannon fodder…easy oppnent
です。
これはつまり「あなたは“かませ犬”だったはずですが・・・」の「かませ犬」ですね。最初の「cannon fodder」は、戦争の最前線、もっとも死ぬ確率の高いところで戦う兵士のこと。
インタビュアーは、日本人の即席通訳がこの表現を知っているはずはないだろうと思ったのか「easy opponent」と言い直しました。これは「簡単な相手」「ちょろい相手」みたいな意味です。
さて、その「かませ犬」が1ラウンドTKOで勝つという番狂わせ。この「番狂わせ」を
upset
といいます。実際に「upset of the year」という賞があり、この試合がそれに選ばれています。
この「upset」という単語は
I’m upset(気分が悪い)
という意味にも使われます。
面白かったのは、相手のカークランド選手が試合後のインタビューで
俺はまだ戦うことができたのに審判がストップしたのでupset(気分が悪い)
と答えたことでした。
最後まで読んでくださりありがとうございます。