小林正観さんからこう聞いた第三章⑧優しい子
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最終更新日:2022/08/23
小林正観さんからこう聞いた
「この子は親に優しい子で・・・」という言い方がありますが、このフレーズを聞くたびに正観さんが教えてくれたことがあります。それは「優しい」という言葉の意味です。「『優しい』という言葉は、力が強い側から弱い側に対して向けられた言葉でありその逆はないのです。つまり『親が子に優しい』という言い方は成立しますが、「子が親に優しい」という言い方は成り立たないのです」。
私の捉え方ですが、正観さんはただ言葉の定義を教えてくれているだけではなく、親が子を「親に対して優しいか優しくないか」で見ているというところに着目しているのではないかと思います。子育てとは「受け容れること」。自分の子どもがどういう子どもであるかを判断する必要はありません。
話を戻しますが、もちろん、定年退職を迎えた親とその子どもでは力の強弱は逆転しているでしょうから、「子が親に優しい」という言い方はできます。実際にこのような相談が正観さんにありました。
定年退職を迎えたある男性からの相談です。「正観さんの周囲にいる人たちは本当に明るくて優しい。ところが自分の子どもたちは私に優しくなく、当たりがきつい。なぜこんなに違うのか」。
正観さんは逆にその男性に問いかけました。「子育てをする中で、子どもたちに怒鳴ったり声を荒げたりしてきませんでしたか」と。実際にしてきたということでした。「それは、自分が投げかけてきたものが返ってきているだけです。自分のほうが立場が強いときに強圧的に接してきたものが、立場が弱くなったときに返ってきているだけなのです」というのが正観さんの答えでした。
結局「受けるほかはない」という救いのない結末ですが、ただ、たった今から実践を始めることで受ける分が少なくなる可能性はあります。
そ-そうじ
わ-笑い
か-感謝
定年退職を迎えたお父さんが、いきなり家のトイレそうじを始め、家族に笑いかけ、「ありがとう」の言葉を伝え始めたら、子どもたちはいつまでもきつく当たることはしないのではないでしょうか。
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