小林正観さんからこう聞いた第三章⑦親孝行
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最終更新日:2022/08/23
小林正観さんからこう聞いた
「親孝行」について質問があがったことがありました。私が記憶している正観さんの答えは、
・子どもは生まれたときに一生分の親孝行をしている
・元気な姿を見せること
です。最初の答えは本質的で、後の答えは具体的です。私はどちらも理解できます。それは、自分が親の立場で考えたときと、子の立場で考えたときです。娘が生まれて抱いたときの感触は今でも忘れられません。そのときにはすでに正観さんのこの言葉は聞いていました。この原稿を書いている現在、娘は10歳ですが、何も望みません。確かに生まれたときにすべて頂いているのです。私が好きな「ドラえもん」のワンシーンです。しずかちゃんが嫁ぐ前夜のパパとのやりとりです。「私のほうは、パパやママになんにもしてあげられなかった」と言うしずかちゃんに対してパパは、
とんでもない。君はぼくらに素晴らしい贈り物を残していってくれるんだよ。数えきれないほどのね。最初の贈り物は君が生まれてきてくれたことだ。午前3時ごろだったよ。君の産声が天使のラッパみたいに聞こえた。あんな楽しい音楽はきいたことがない
と言ったのです。
「元気な姿を見せること」については、自分が子どもの立場で考えました。私は両親には感謝してもしきれないくらいですが、それをお金で返すだけの余裕もありません。おそらく私と同じような思いがある男性が正観さんに親孝行について質問をしました。そのときの答えがこれなのです。もちろん「元気な姿を見せておけばそれでいい」という考え方ではありません。「自分は親孝行ができていない」と悩むくらいなら、まず元気な姿くらい見せてはどうか、親はそれが何よりうれしいんですよ、と私は正観さんの答えを捉えています。
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