社長から教わった社会人の品格⑦
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最終更新日:2020/08/24
社長から教わった社会人の品格
私が正しい箸の持ち方を教わったのも社長からでした。社長の下で働き始めてまだ間もない頃、一緒にご飯を食べる機会がありました。数人で食べていたのですが、とつぜん社長が、「箸の持ち方がわるいと目がわるくなる」という話をしました。
箸の持ち方がわるい→鉛筆の持ち方がわるい→目がわるくなる
という話でしたが、その根拠はよく覚えていません。
その話をするときに社長が正しい箸の持ち方を教えてくれたのですが、私はそれを見て自分の箸の持ち方が間違っていることに初めて気がつきました。それまで何十年、間違った箸の持ち方をしていたことに気付かずにいたのです。ちなみに私の視力はわるくはないのですが。
私はその場で察しましたが、社長がそこで本当に言いたかったのは「私の箸の持ち方が間違っている」ということだったのです。
みんなで楽しく食事をしているその雰囲気を壊したくない、だけど箸の持ち方を私に伝えたい。そういう状況で、一般論にすげ替えて話すという知恵だったのです。
教育改革実践家の藤原和博さんが、「正解よりも納得解」と言っています。社長は「正しい人から楽しい人へ」と言っています。
私だけではないと思うのですが、正解を出すこと、正しいことをすることで評価されるという経験を子ども時代に経験しました。
どうもそこを切り替えたほうが楽しい人生になりそうです。
こんなことを言う私も、周囲にストレートに物事を言ってしまいがちです。ですが、そういう自分も受け入れる。自分を甘やかしていいのです。「そんなことをしたらもっと周囲にきつくなってしまうのではないか」と思われるかもしれませんが、私の経験では逆です。自分の深い部分が「受け入れられた」と安心するようで、周囲への接し方も自然にマイルドになるようです。