子供の要求を拒否しないこと 子育てに役立つ3つの話

公開日: : 最終更新日:2017/01/28 コラム

「魅力的な人々」(小林正観著 弘園社)

この本より、子育てに役立つ話を抜粋したいと思います。ただ、著者である小林正観さんの立場からいうと、「そうしてください」とお願いしているわけではないそうです。話を聞いて「やってみよう」と思った方はやってみればいい、そう思わない方はやらなければいい、それだけの話。仕事でも家庭でもほぼ365日子どもと関わる私には、たまたまこの考え方は合っていたということでしょうか。

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小林さんは、ある女性(Aさんとします)からこんな相談を受けました。

子どもがウツ状態で引きこもっており困っている

小林さんの答えは

無理に社会に出る必要はないのだから好きなことをやらせてあげればいいじゃないですか

Aさんはその言葉を聞いて「油絵をやりたいと言っています。ただ・・・」と言葉を詰まらせてから「どうせ続かないんです」と答えました。

みなさんはこのやりとりについてどう思いますか?小林さんの解釈は以下のようなものです。

Aさんは「どうせ続かない」という自分の判断で子ども要求をことごとく否定してきたのではないか。それで子どもはどんどんエネルギーを失ってきたのではないだろうか。すべて叶えるのは大変だと思うかもしれないが、子どもにとってみれば、100%要求を叶えてくれる親に対して次々と要求をしたりはしない。拒否をする親だから、次から次へと要求をするようになる。

子どもの要求をスルーする。すると子どもは何も言わなくなる。「ほら、単なる思い付きでしょ」と大人の側は解決したように思う。こういう判断が一般的には正しいとされているように思います。ただ、子どもは「無視された」「言ってもムダ」と、確実にエネルギーダウンをしています。これは私が児童福祉の現場で体感してきたことです。

ですから、私はできるかぎり子どもの要求を叶えるようにしています。「大変なんじゃあ」と思われるかもしれませんが、実際にはそんなに大変ではありません。小林さんが言うように、次々と要求をしてくることはないのです。

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次の話。

ある小学校の授業参観。先生が生徒たちに「お好み焼きの具には何がありますか?」と質問をします。生徒たちはいっせいに手を上げ「豚肉」「エビ」などと答えます。ある生徒が「チーズ!」と答えたとき先生がひとこと、

それはないな

と言いました。

放課後の親の会。「今日の授業について感想などはありますか?」と先生が親たちに発言を求めると、ある方が答えました。

お好み焼きの具について生徒たちに質問をしたときに、ある生徒が「チーズ」と答えました。先生はそれに対して「それはないな」と言いましたね。それいこう、子どもたちは先生に受ける答えを探そうとしていたように思えます。正しいかどうかではなく、「なるほど面白いね」とその答えを受け入れれば、子どもたちの想像力も刺激されるのでないですか?


小林さんは、この話について「大人が子どもの才能の芽を摘み取っている」とまで言っています。私には5歳になる娘がいますが、一緒にいると子どもは本当にいろいろな能力を発揮します。ただ、大人にとってみると、そのほとんどは“どうでもいいこと”。「くだらない」という態度であしらったり、自分の側の物さしで「正しい」「間違っている」と判断してしまいがちです。

ただ、実はその一つ一つが子どもの才能の芽を摘み取る行為なんだと考えると自分がやっていることに恐怖さえ感じます。

うちの子どももそうなんですが、歌やダンスなどはテレビをみてあっという間に覚えてしまいますよね。そして、それを親に対して披露します。私は上の話の応用として、満面の笑みでそれに対して拍手を送るようにしています。

足成絵

次の話。

小林さんのところには「子どもが不登校なんですけど・・・」という相談が多数よせられたそうです。それに対する小林さんの答えは

だから何?

子どもには子どもの事情があって学校に行かないことを選んだのだから、親である私たちはただそれを「受け入れるだけ」。それを「問題だ」と言っているのは親のがわの問題。ようするに、自分がその状態が気に入らないから「問題だ」と騒いでいるだけなのです。受け入れてしまえば、親にとっても子どもにとっても状況はとても楽になります。

そして、親が受け入れた瞬間に子どもが心を開いていろいろ喋り始めた、という実例もあるようです。

いかがでしたでしょうか。最初にも言いましたが、小林さんはあくまで「お願いですからそうしてください、という立場ではない」ということです。

最後まで読んでくださりありがとうございます。




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