子どもの目標設定に親が介入してはいけない理由

公開日: : 最終更新日:2017/01/28 コラム

ゴール設定について


先日、仕事でとある研修に参加してきました。新任の職員を対象にしたものでした。私も児童福祉の世界では新任です。

講義の中で、「目標設定の仕方」の話がありました。それは今から約20年前に、企業家と福祉関係者が合同で作ったという教科書をもとにしていました。

「コーチング」では「ゴール」といいますが、このゴール設定をすることがすべてと言っても過言ではないくらいそれは重要なことです。

20年前に作成された「目標設定の仕方」がコーチング論からみて“間違っている”ポイントをいくつかまとめてみました。



ゴールは現状の外に設定する


研修の中で、「目標は達成可能なレベルで設定する」という話がありました。達成可能なレベルで設定をして、それを達成したら、また達成可能な目標の設定を新たにする、そのようなやり方です。

コーチングでは、「ゴールは現状の外に設定する」というのが原則です。

昔、私がピザ屋の店長をやっていた頃、目標は「前年費売上げ10%増」でした。すると、どうなるか?現状に留まろうとするのです。

目標は「どうやって達成したらわからない」くらいのレベルの方がいいのです。



want to であること


言われてみればあたり前です。「やりたくないこと」をわざわざ目標にするのも変な話です。

ところが、親や福祉職員も含め、子供の養育に関わる人が「やりたくないこと」を我慢してやる、そんな生き方をしている場合、子供にもあたり前のように「やりたくないこと」を目標としてかかげさせるのです。



ゴールの内容に介入してはいけない


結局、ここがもっとも違和感があるところです。目標というのは、本人が立てることに意味があるはずです。

ところが、福祉の現場では困ったことに、「目標はない」という結果にはできにくいので、職員がその内容に徹底的に介入して、「目標を立てさせる」という現状があるのです。

「働いて貯金をする」ということを目標に“せざるをえない”という現状があります。

仕方がないとはいえ、「ゴール設定」の原則からは大きく外れています。

親には「自分はこのように生きてきた」という「コンフォートゾーン」があります。自分にとって心地よく感じる考え方や生き方、という説明をしておきます。

子供のゴール設定に介入するとどうなるか?その内容が親のコンフォートゾーンの中にあるときはいいのですが、その外にあるときには批判をして変えさせてしまうのです。

親の役割は簡単です。子供の選択に対して「できるよ」と言ってあげる、それだけでいいのです。

もちろん、コーチとしての役割はそれだけではありませんが、詳しく知りたい方は自分で勉強をしてみてください。

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