プライマリーバランスとは?日本財政を家計にたとえて考える
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楽問(がくもん)のすすめ
福祉という仕事は寄付や税金で成り立っています
予算の要望、簡単にいうと「もっとお金を出してくれ」、そういう仕事は下っ端の私はノータッチなのですが、「楽問(がくもん)のすすめ」として、そのお金の出所である国庫ではどのような話がなされているのか、そこに興味を持ってみたいと思います。
「プライマリーバランス」という言葉。何度か出会ったことがある言葉ですが、
なんだそんなことか
という簡単な意味でした。
プライマリーバランス [7] 【primary balance】
財政における,公債金収入以外の租税等収入と,公債費を除く歳出との収支。プライマリー-バランスの均衡とは,公債金収入が過去に発行した公債の償還費と利払いにあてられるのみで,一般歳出に支出されることのない状態をいう。基礎的財政収支。 weblio辞書
これが“ちゃんとした”定義です。私なりに、これを「家計」にたとえて説明します。
A家のお父さんが給料30万円を持って帰りました。それをお母さんが上手にやりくりし月30万円でおさまった。これが「プライマリーバランスの均衡」という状態です。
これが“健全な状態”であることは当たり前ですよね。
国という規模でも同じことです。収入の範囲でやりくりすることができれば財政的に健全といえます。
ややこしくなるのは「借金」をするからです。日本は毎年、借金をしながら借金を返して、というやりくりをしています。
A家には借金があり、毎月利子も含め10万円ずつ返しています。収入は30万円ですから10万円返すと残りは20万円です。
でもやりくりに30万円かかりますからまた10万円借金をします。
それじゃあ借金をして借金を返しただけ
そういうことなのですが「プライマリーバランスの均衡」とはこの状態なのです。
国の借金と家計の借金は違う
国の財政を家計にたとえる説明の仕方はよく行われているようですが、注意をしなければいけないのは
国の借金と家計の借金では意味が違う
ということです。
借金は早く返したほうがいい
家計にたとえるとそれが常識ですが、それは、その借金は銀行やサラ金などの“外”から借りているからなのです。
では国の借金は誰からしているのか?
それは日本人なのです。
これを無理やり家計にたとえると、親が子どもから借金をしているという状態でしょうか。
子どもから毎月10万円ずつ借りて利子も含め10万円返す。子どもには利子が入りますから別に子どもも早く返せとは思っていない。
きょうはこのくらいにしておきますが、親は子どもに「利子」を払い続けなければいけないのでやはり借金をするのは損なような気がしますが、現実的であるかどうかは別にして親が借りたお金を運用して「利益」を出したらどうでしょうか?
ここで「金利」という言葉が重要になってきそうです。私もこれから勉強ですが、なかなか面白そうです。
参考文献
「官僚との死闘七〇〇日」(長谷川幸洋著 講談社)