社長から教わった社会人の品格㉙
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最終更新日:2020/08/26
社長から教わった社会人の品格
社長は、「優しくあれ」とか「愛が大事」という道徳的な話は嫌いでした。
どういうことかと言うと、優しいことが当たり前の人は「優しい」という言葉は使わない、愛のある人は「愛」ということをむやみに言わない、ということなのです。
私は20代の前半、人生に嫌気がさして日本中を旅してまわっていたことがありました。死に場所を探していました。北海道に行ったときのこと。季節は冬。札幌から富良野へと続く道をフラフラ歩いていると、一台のトラックが止まりました。まどからおじさんが顔をだし、「こんなところを歩いていたら死ぬぞ。オラの牧場まで乗せていってやる」と言ってくれました。愛想はなく車の中ではずっと無言。
さらに、富良野では、あるおばあちゃんがほとんど所持金がなかった私を家に泊めてくれました。
このお二人は親切でやさしい方ですが、ご本人たちは普段から優しさを周囲に説いていたのでしょうか。おそらく違います。きっとお二人にとっては当たり前の行動だったのです。
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