社長から教わった社会人の品格㉕
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社長から教わった社会人の品格
「運動」という言葉があります。本来の語源は知りませんが、これを「動くことで運が開ける」というふうに解釈をすればなかなか面白い人生になるかもしれません。
社長の下で働いていた時に、こんなことをやったら面白いな、ということを思い付いたので社長に話したことがあります。それは、こういうことを書いたら面白いんじゃないかという提案でしたが、社長から「原稿はあるのですか?用意をしてからきてください」と叱られました。単にアイディアを言うだけならそれは動いたとは言えないということ。
社長は生涯で60冊以上の著書を残しましたが、その第1冊目は、自分で原稿を作ってそれをコピーして綴ったものだったのです。それを興味がある人に配り始めたところ、どんどん広まっていった。そして、最終的にある会社の社長が出版社を立ち上げ、それで本になって流通したのです。
どうも人生が開けていかない気がする、そんなときは、じっとふさぎ込むのではなく動くこと。
V.E.フランクルさんの「夜と霧」という本を昔、読んだことがあります。ナチスの強制収容所での経験が書いてありますが、そのような地獄とも言えるような状況でどんな人間が生き残るかというと、ひげをそる、髪を整えるなど、日常的にやっていたことをし続ける人だそうです。絶望的な状況で、身だしなみを整えることに意味はないかもしれません。ただ、そういう行動が次につながるということを教えてくれています。
私は行き詰まりを感じると散歩をしたりします。それも1時間、長いときには4時間くらい歩きます。歩いているうちに前向きな気持ちになれたり、ときには状況を変えるような具体的なアイディアがひらめいたりします。そして、そのアイディアも思い付いたままにするのでもなく、人に言って終わるのでもなく、行動にうつすようにしています。
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