フリースクール説明会 学校との関係をどうするか?

公開日: : コラム

もうすぐ4月。去年の就学前検診から「小学校には行かない」と言っている娘とフリースクールの見学に行ってきた。もちろん親である私がフリースクールに行かせようとしているわけではありません。

説明会と言っても、説明は15分くらいで、あとは夕方までフリースクールで過ごしました。そこのフリースクールにとっても就学前の子どもの受け入れは初めてです。「学校もフリースクールも子どもの選択枝」という考えた方で運営をされていますが、社会の認識としては、「フリースクールは学校に行けない子どもが行くところ」と思っている方がほとんどでしょう。

さて、親の私としては気になるところが学校との関係です。フリースクールの事務長さんにいろいろと質問をして考えたことをまとめておきました。

Q いつ学校と話をすればいいの?
現在の日本の状況では、フリースクールに通っている子どもたちも学校には在籍をしなければいけないようです。去年、法律が変わったりと“多様な教育”を認める方向に動いてはいるのですが、学校が中心であることには変わりないようです。

それで、学校に在籍しながらフリースクールに通う子どもたちのために、「フリースクールへ通う日数を学校への通学としてカウントする」などのルールができたりしてきたわけですが、すると今度は「フリースクールに通わなくちゃいけない」と思い込む親や子どもが現れたりして、フリースクールの理念と外れる事態にもなり、関係者の方はずいぶん頭を悩ませながらやっています。

私は入学式の日に学校に連絡をするつもりでしたが、「学校といい関係を作っていくためには早めに連絡をしたほうがいい」とのことでそうすることにしました。子どもの意見や気持ちにそってというのが私ら夫婦に共通はしているのですが、その「子どもの気持ち」がどうなのか?というところでまあまあ立ち止まることがあります。入学式当日になって「学校に行く」と言いださないともかぎらないので、私としては入学式まで学校に説明をするのは待とうと思っていたのです。

「学校に行きたくない」と言っていた娘。就学前検診の頃には「行く」と言いだし、就学前検診は無事に終えました。義理の母にランドセルもお願いしていたんですね。その直後の学校見学会にも「行く」と言っていたのですが、公園で遊んでいた娘に「そろそろ見学に行く時間だよ」と言うと「行きたくない」と言い、結局、行きませんでした。
その日の夜だったか、「ランドセルはちょっと待って」と娘が言いだしたのです。それからは何度たずねても「学校には行かない」と言います。義理の母は娘に「学校には行かなければならない」とさかんにすすめていましたが、あるとき「ばあばの家にはもう行きたくない」と大泣きをしました。それ以降は、義理の母も強くは言わないようになりましたが。

PTAはどうするの?

私が相談した事務長さんには二人の子どもがおり、上の子は小学校、下の子はフリースクールに通っています。上の子が通っているということでPTAには加入しており、活動もしているそうです。ただ「上の子が卒業したら(PTAを)やめたい」とおっしゃっていました。

PTAへの加入は任意ですが、たぶんすでに私も加入することになっているはず。ですから「続けるか辞めるか」という選択枝になりますが、これは娘が学校に行かないのならば脱会するつもりでおります。


その見学会で私も一日中、フリースクールで過ごしたのですが、自分の小学校時代のことを思い出していました。私自身は、小学校から高校までほぼ皆勤賞で大学に行ったら勉強をしなくなったというありがちなパターンです。
何を思い出したかというと「小学校のときにやった休憩時間のサッカーは楽しかったなあ」ということです。あれから30年以上経ってこんな違和感を感じたのです。「なんで楽しかったのに思う存分できなかったのか?」
休憩時間ですから、30分くらいで切り上げなければいけません。「早く教室に戻れ!」という先生の怒鳴り声も思い起こされます。
「そんなのあたりまえ」、そう私も思っていたし、フリースクールを経験しなければ死ぬまでそう思っていたかもしれません。
そういう経験を通して、「やりたいことは制限しなければならない」、そういう感覚が身についてしまったのかもしれません。そしてそれは30歳を過ぎてから私の中で変化しているもの、「やりたいことはやってはいけない」→「やりたいことだけをやる」、です。

「学校に行ったことを後悔している」という話ではなく、感謝ですね。自分がそのときは「正しい」「とうぜん」と思っていたことでもいずれ変わるかもしれないということを体感することができました。それが30年後である場合もあるということです。

「学校に行くのが正しい」「フリースクールが正しい」ではなく、変化する子どもの気持ちに私がついていく柔軟性、そういうことかな、と思っています。

最後まで読んでくださりありがとうございます。






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