エントロピー増大の法則で「公式を体感する」練習 楽問(がくもん)のすすめ
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楽問(がくもん)のすすめ
数学が嫌いな方
日本の小学生は、数学(算数?)のテストで他国と比較して高得点を上げるそうです。ところが「数学が好きですか?」「数学が役に立つと思いますか?」という質問に「Yes」と答えるのはわずか20%ほど。
私は、40歳を間近にして、数学の面白さというものに気が付きました。というよりある本で学んだのですが。それは「体感」ということです。
アインシュタインは、思考実験によって、自分が光に乗って移動をしたらすべてのものが止まってみえた、ということを「体感」して発見したのです。それはただの想像ではなく、身体感覚をともなうものです。
公式をみてそれを「美しい」と感じる。それも「体感」です。「美しい」というのは「感じる」もの、そして感じることは「身体感覚」をともなっています。
今回、私が「美しい」と感じた公式、それは
△S≥0
です。「エントロピー増大の法則」といいます。公式を見た瞬間にアレルギー反応を起こした方は、おそらく、「公式は覚えなくてはいけない。そしてそれを使って計算問題を解かなければいけない」という学生時代の苦い「記憶」があるからでしょう。
安心してください!
もう試験を受ける必要はありません。
現役の学生だという方も、ここでは肩の力を抜きましょう。「体感」をするには、リラックスをすることが必要なのです。
まずは式の説明をします。「△」は「変化量」です。「S」は「エントロピー」です。「≥0」は「0以上」ということです。
この式がいっていることは簡単です。エントロピーの変化量は常に0以上であること、つまり「エントロピーは常に増大する」ということです。「エントロピーが減少することはない」ということです。
あとは「エントロピー」とは何か、ということですが、コーヒーにクリープを入れると、それはコーヒー中に広がりますよね。広がるという方向にしかいかないですよね。
この「広がる方向にすすむ」ことを「エントロピーが増大する」というのです。広がったクリープがまた元に戻るとしたら、それを「エントロピーが減少する」というのでしょうが、それは起こらない、ということをこの式は表しているのです。
たとえはいくらでもあります。皿を落としたら割れます。これが、エントロピーの増大、です。割れた皿がくっつくことはありません。
さて、いよいよ「体感」ですが、この公式を頭に思い浮かべます。短い式ですから問題はないと思います。
そして、皿のたとえを利用しますと、式の「△S」と「皿が割れる」様子を、想像の中で結び付けます。
次に、「△S≥0」と「巻き戻しをするように割れた皿が元に戻る」様子に×印を付け(それは起こらないということのイメージです)、それを結び付けます。
慣れてくると、イメージは自分で好きなように作ることができます。ただ、間違ったイメージではしょうがないので、参考書を読むなどして知識を付けることは必要ですが。
上手くいくと、脳の運動を促す「ドーパミン」という物質が出ますから、非常に心地よくなってきます。
私はそれでハマってしまったのです。
読んでいただきありがとうございます。