おかげさまを意識すると人生が面白くなる⑬嫌な人


小林正観さんのもとで働いていたとき、私はプライベートの時間も含めすべて「うたし」の実践をする方たちに囲まれていました。物事を「うれしい、楽しい、幸せ」と捉える実践です。そんな三年半を過ごしたあと、私は警備員の仕事に就きました。そこで私は、不機嫌な方、イライラする方、文句や悪口を言う方に囲まれることになりました。特に私は、みんなから嫌がられるようなタイプのリーダーがいる現場に回されるようになりました。私よりもひと回りも年下のリーダーに呼び捨てにされ怒鳴られました。それに対して私は淡々としていましたが、数週間もすると決まって仲良くなるのです。




その渦中にいるときは、私も怒鳴られるよりは仲良く仕事ができたほうがいいに決まっているので、「さいきんこの人穏やかになったなあ、よかったよかった」くらいにしか思っていませんでした。




あれから10年が経過した今の解釈は、「あの方たちは私の先生だった」です。今の私にとってはそう捉えるのがもっともしっくりとくるのです。三年半、うたしの実践をする人たちに囲まれ、自分もそのような感性になった。そこで試験が課されたのです。試験官として、私にとってもっとも“嫌な人”が配置されていたのです。私は学生時代、先輩後輩関係の厳しい体育会に身を置いていました。そんな私が、ひと回りも年下の人間から呼び捨てにされ怒鳴られる。これ以上の試験はありません。仲良くなったということは、私はきっとその試験に合格したのです。




かつては、私にとって、いい人もいたし嫌な人もいました。それが16年経った今、昔だったら嫌な人と捉えていたのが先生と捉えられるようになった。どう捉えるのも自由なのですが、私は今の捉え方のほうが自分で自分を好きになることができます。







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