小林正観さんからこう聞いた番外編①本音
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最終更新日:2022/01/13
小林正観さんからこう聞いた
正観さんが亡くなってもうすぐ10年になります。今でも、というか今だからこそかもしれませんが、「あれはこういうことだったのか」と気が付くことが年に数回のペースであります。
私は正観さんの運転手をしていましたが、道を間違えるなどのミスをすることも普通にありました。正観さんはそういう私のミスを茶話会でみんなの前で話すことがありました。そのときは「なんでわざわざみんなの前で言うのだろうか」という疑問がありましたが、その意味に気が付いたのです。
正観さんは、あえてみんなの前で言って私がどんな反応を示すか見ていたのではないか。みんなの前で恥をかかされたと不機嫌になるのか、言い訳をするのか・・・など。私はいつもニコニコ、というかヘラヘラしてやり過ごしていました。普通の社長なら(普通の社長というのもよくわかりませんが)「何笑っているんだ。反省していないのか」と怒り出すかもしれません。だけど、正観さんにとっては、たぶん私の反応でオーケーだったのです。正観さんは本にこんなことを書いているからです。夫婦喧嘩をしなくなる方法です。たとえば、夫が妻から、「給料が安い。本当にあなたは仕事ができないわね」などと嫌味を言われたとします。それに対して夫がニコニコして「そうなの、私は仕事ができないの」と飄々としていたら、ある意味、妻はあきれてそれ以上何も言わないかもしれません。正観さんが講演会でこういう話をすると笑いが起きますが、これは冗談でも何でもなくて、私自身もそういう反応していたんだと気が付きました。
今回、私が気が付いたことについては、妻やフェイスブック(正観さんから学んでいた方々)、SKPでの茶話会で話をしました。今のところ「それ違うよ」という反応はありません。
この話はあくまで、こういう状況でこそ本音が出るということを自分が気が付いたという話です。社長や上司という立場にある方に対して、「部下の本音を見るにはそうすればいい」という方法論を伝えているわけではありません。正観さんは「この人だったらこういう反応をするだろう」ということを見極めたうえでやっていたでしょうから。扱い方を間違えると大変な状況を招く気がします。