小林正観さんからこう聞いた第三章⑤すごい人
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最終更新日:2022/08/23
小林正観さんからこう聞いた
私が正観さんの合宿で出会ったある女性(Mさん)。文字通りいつもニコニコしている方でした。食堂でみんなで話をしているとき、Mさんの笑い声がこだまします。正観さんが「Mさんは明るくていいんですけどうるさいんですよね」と笑いながら言っていたほどです。Mさんは同じ合宿に参加していたある女性に笑顔で話かけ続けていました。その女性はまったく笑わずずっと下を向いていました。「うつ病を患っており・・・」という話を茶話会のときにご自身でしていたと記憶しています。
私の記憶には、Mさんがずっとその女性に寄り添って笑顔で話しかけ続けていた映像が残っていました。私は今、児童福祉の仕事で十代の若者たちと一緒に過ごしているのですが、中にはまったく笑顔のない女の子もいます。
そんな時にMさんのことを思い出し自問することがありました。「はたして自分はこの女の子に寄り添って笑顔で語りかけ続けることができるだろうか」と。「できるわけがない」というのが私の答えでした。正観さんのところに集まってくる明るい人たちに囲まれて一緒に笑ってられるのは誰でもできます。そして、もう少し実践が進んでくれば、自分自身の友人や知人の間で笑顔で笑って、「○○さんっていつも笑顔ですね」って言われるような人になることはできそうです。しかし、常に「死にたい」と口にするような状態にある人に笑顔を向け続けることってできるものでしょうか。私には想像もできません。結局、「Mさんはすごい人だ」という結論になりました。
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