水曜ドラマ「無痛」第二話に出てきた健康保険に入っていない親子について

公開日: : コラム

「無痛」は毎週水曜日の夜9時からフジテレビで放送されているドラマです。


このドラマは“見ただけで”患者の病気がわかるという能力を持った二人の医師と、“正義感”あふれる刑事の物語です。


この記事で取り上げたいのは、「第二話」に登場した

貧困のために医療を受けることができない

そんな人たちです。


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生活保護を断られる


主人公が営む町の診療所にやってきた母親と4歳くらいの女の子。

娘の腹痛が治まらない

ということでやってきました。


病気は大したものではありませんでしたが、母親が心配しているのは
“医療費”です。


健康保険に入っておらず、医療費を払うお金もないのです。


主人公の医者は、

払えるときでいい

と無料で治療をしました。


母親は、

働くことができる

という理由で生活保護は断られたということです。



受診券


児童福祉施設にいる子どもたちの医療費って誰が払っているのでしょうか?
いうなれば

国民みんなで負担

をしています。

彼らには「受診券」というカードが渡され、それがあれば医療費は“タダ”なのです。
「タダ」という言い方は語弊があるかもしれません。

健康保険に加入している場合、私たちは病院に行くと医療費の三割を負担しています。
受診券があればそれが0割の負担だ、ということです。


ですから、国民みんなで払っているということです。
児童福祉の関係者としては感謝ですね。


それだけに、


医療を受けることのできない子どもがいる


という時点で何か“不平等”という気がします。
放っておいてはいけない、そんな気がします。




生活保護には8種類の区分がある


一言に「生活保護」といっても、それは8つの区分から成り立ちます。

生活扶助

教育扶助

住宅扶助

医療扶助

介護扶助

出産扶助

生業扶助

葬祭扶助


です。


たとえば持ち家がある方には「住宅扶助」は必要ありませんから、
そのぶん受け取る額が少なくなったり、そのようにして額が変わってくるわけです。


さて、このドラマに登場した親子に必要なのは「医療扶助」ですね。

これが認められると「受診券」を受け取ることができますから、子どもは問題なく医療を受けることができるということになります。


ドラマのストーリーを勝手に想像すると、主人公は「受診券」を求めて役所にかけあってもよかったのかもしれません。

私は仕事で役所と関わることもあるのですが、けっこう“柔軟性”をもってやってくれることもあるので簡単にあきらめない方がいいのです。




児相の一時保護所


さらにストーリーを勝手に想像しますと、この主人公の医者は「児童相談所」に相談してもよかったですね。

貧困で子どもが病院に行けない

という状況がわかっているならば遠慮なく児童相談所に通報してもいいのです。


児童相談所には附属の「一時保護所」があります。そこに子どもを保護してもらうことができれば衣食住はもちろんのこと、医療だって満足に受けることができます。


“虐待”ということがなければ、母親が生活を立て直しさえすれば児童相談所はいつまでも子どもを「一時保護所」に置いておく理由はありませんから、母親は子どもとの生活をやり直すことができるのです。


児童相談所の状況もいろいろありますが、

医療を受けられない

ということはないのでひとつの方法ではあります。

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