社長から教わった社会人の品格⑩
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社長から教わった社会人の品格
「お金は出る方が先」。これだけではよく分からない話です。私自身、貯金もほとんどなく、毎月働いてお給料いただきそれで家族を養っています。ですから今でもこの話については半信半疑ではあります。仕事をしてお金が入るから出すことができるんじゃないか。
しかし、ここから先の話については納得をしています。お金は出る方が先なのだがそれも喜ばれるように出すこと。つまりお金は喜ばれるように使うことなのです。
「飢饉普請」という言葉があります。これは近江商人に伝わる言葉です。具体的には、たとえば、飢饉になったら家を改築しなさい、という教えです。そうすれば飢饉で仕事がなくなった人に仕事を与えることができるからです。これも「喜ばれるお金の使い方」です。「日本人は寄付をしない」という言われ方をされますが、飢饉普請のような、人のためにお金を使う、という精神はあるのです。
しかし、社長の話はここからが真骨頂です。決して、人のためにお金を使うような人格者になりましょう、という話ではないのです。そういう風に使うからあなたにお金が入ってくる、そのほうが得ですよ、という話なのです。
私の実践例についてお話しします。児童福祉の仕事をする中で関わったある若者から、40,000円の支払いができなくて困っているという相談を受けました。その時の私は、40,000円を払っても家族の生活に支障はないという状況にありましたので彼に40,000円を渡しました。社長からこの話を聞いていなければきっと断っていたことでしょう。それから1ヵ月後、私は実家に帰りました。高校の同級生と会う約束をしていたのですが家を出るときに父親から飲み代として40,000円のお小遣いを貰いました。きっかり40,000円です。
ただの偶然かもしれません。ただ、ひょっとしたら、お金は出る方が先という話の通りに、出た40,000円が入ってきたのかもしれません。そう考えると楽しくなってきます。
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