社長から教わった社会人の品格④

公開日: : 社長から教わった社会人の品格


責任は自分が引き受け手柄は他人にあげる




これは“社長”が職場での上司のあるべき姿として話していたことですが、人の生き方に通じることでもあります。仕事の業績というのは、実際には数字だけではわからないことがほとんどです。最初から結果が数字では出ない仕事の方がはるかに多いでしょう。たとえば、プロ野球でも、試合に勝ったときそれは誰のおかげでしょうか?打点をあげた打者、ファーボールを選んで出塁した打者、バントで送った打者、そのバントがあまり上手くはなかったがいい走塁をした走者・・・もちろんピッチャー、考えるときりがありません。こんなとき、誰だって自分の功績を認めてほしいと思うものではないでしょうか。




ただ、それが「嫉妬」の引き金となります。嫉妬というのは、「本来は私がもっと評価されるべきなのに実際にはされていない」という感情です。「なんで私ではなくあの人が評価されているの?」と嫉妬が相手に向かうのは二次的なもので、もともとは自分に対してのものなのです。ですから周囲は関係ありません。自分のことなのですから自分の生き方なのです。




弘法大師空海がこんな言葉を残しています。





自分がこんなにすごい人だと言ってはいけない 他人がこんなにダメだと言ってはいけない





実際の言葉は違うのですが意味はこういうことです。空海自身もこの言葉を実践していたわけですが、実際には空海は周囲から高く評価されていました。ですから、自分の功績を話さそうが話さまいが周囲の評価が変わるわけではありません。それが分かっていてもついつい言ってしまうのが人間の性(さが)であり業(ごう)なのでしょうか。
「(自分の業績を)言いたい・・・」と思ってもそこで立ち止まって、あえて他人がこんなによくやった、と言ってみる。そうすることであなたの品格は磨かれていくのです。







お金の上手い下手




“社長”の収入はわかりませんが、その経済効果を考えると数十億単位の力がある方でした。そのおかげで私も生活ができていたわけです。そういう大きなお金を動かしている方のお金の上手い下手があるそうです。具体的にはこんな話でした。




ある芸能人は自分の貯金(100億円)を公表していました(周囲に貯金通帳を見せたのをマスコミにリークされたという流れでしょうが)。彼は数年後に破綻して数億円の借金を背負うまでになってしまいました。詳しく何があったのかはメディアでは伝えられなかったのですが、“社長”によると“お金のプロ”によるものだということです。お金のプロを定義すれば「IQが高い人たちでお金をいかに得るかを毎日考えている人」、曖昧ですがご想像ください。“社長”も相当IQの高い人だと見受けられたのですが、それでもお金のプロ相手にはかなわない、と言っていたので相当な人たちなのでしょう。私などはそもそも相手にもされないのしょうが、「俺はお金を持っている」ということをひけらかすことで、その芸能人はお金のプロの視野に入ってしまったということです。逆に、お金の上手い使い方、振る舞い方は以下のようなものです。




・有名人にならない-“社長”はメディアには顔を出しませんでした。ファンが写真を撮ることはオーケーにしていましたが、そのつど「ブログなどで公開はしないでください」と釘をさしているほどの徹底ぶりでした。“社長”がよく引き合いに出す億万長者の方もメディアに顔を出しませんでした。あるとき、雑誌のインタビューで勝手に顔写真を掲載されてしまったときには、発売されたその雑誌をすべて買い取るというくらいだったそうです。




・慈善事業-社長は「喜ばれるお金の使い方」を実践していました。上手くやればもっと自分の収入を増やすことはできたのでしょうが、たとえば、本の印税の半分は担当編集者に支払ったり(出版業界に詳しい方、これってあり得ないですよね?)自分が関わる人たちが生活することができ、いい思いができるようにお金を回すことを考えていたのです。“社長”は「私は現実主義」と言っていました。つまり「いいことをしよう」としていたわけでなく、「そのほうが得」(これを“究極の損得勘定”という言葉で表していました)だからやっていたのです。逆に入ったお金を自分のためだけに使うような人はよう注意です。










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