なぜ「子ども」と表記? 文部科学省と現場の言葉使いの違い
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コラム
こんにちは、編集者のくりようかんです。
今、ざっとみたところ、産経新聞では「こども」は「子供」と表記され、朝日新聞では「子ども」と表記されています。関係者でなければあまり気にすることもないと思いますが、「子供」と表記するのか「子ども」と表記するのか、福祉や教育の世界ではちょっとした議論になっていた(いる)のです。
公式には“子供”、現場では“子ども”
“言いだしっぺ”として名前があがっている方もいるのですが、あまりはっきりした情報とは言えないのでここではふせておきます。
“賛成派”と“反対派”の意見をざっとまとめておきました。ちなみに、私は「子ども」と表記しますが、積極的に賛成というわけではありません。
賛成派 | 反対派 |
---|---|
「供」という感じには「付き従う」という意味がありよくない | 「コドモ」の読みに漢字を当てた“当て字”だから問題ない |
「供」は複数を表す言葉だから問題ない |
“子供の主体性”が言われる昨今、「供」という字がそぐわない、ということでしょう。
この問題については、文部科学省が
「子供」で統一する。差別表現ではない
と、2013年に通達を出しています。
【記事】子ども」は「子供」で統一します 文科省「差別表現でない」と公文書で使用 Jcastニュース 2013/9/ 1
あくまで、“公文書で”です。ですから、文部科学省のホームページは「子供」で統一されています。ただ、現場では「子ども」が主流です。
今のところはそれで問題が起きているということはないみたいですが。
“退去”か“退居”か
私が過去に直された経験があるのが“退去”です。福祉施設などを出るときの表現として使われますが、これを“退居”となおされました。
「去」という漢字のイメージがよくない、という理由です。
不動産業界でも、「入居」の対義語として「退居」の方がわかりやすいので、こちらの漢字が使われているようです。
もともとは、「退居」は、「隠居」や「隠遁」の同義語として使われてたようですが、現在では「退去」の意味として使用しても問題はないみたいです。
(参考 weblio辞書)