社長から教わった社会人の品格⑮
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最終更新日:2020/08/26
社長から教わった社会人の品格
社長やその友人知人大勢と一緒にスイスへ旅行に行ったときのことでした。夕食をとるために10人ぐらいであるレストランに入ったのですが、「10人一緒に座れるテーブルがありません」と断わられました。他に客はいなかったし、観光地だったので、アジア人は断るなどの差別だったとは考えにくいです。
結局他のレストランで夕食をとることになりました。社長は言いました。
「さっきの方はオーナーではありませんね。オーナーだったら10人もの客が来て断るわけはないのです。結局、受けても断っても給料は変わらないのだからめんどくさいと思って断ったのでしょう」
そして、日本のある企業の話をしてくださいました。そこでは、従業員教育として、お客様に対して「できません」「わかりません」は言わないという教育をしているそうです。
そのような仕事に対する姿勢を教わったことは、私の中で宝物となっています。何かを頼まれたりしたときに、できない理由をすぐさまあげることのできる人がいます。コーチング用語でこれを「創造的回避」というそうです。言っている本人は正当な理由だと思ってそう言っているのですが、これはひとつの思考の癖なのです。
私は、とりあえず「どうやったらできるのか」という方向性で物事を考えています。すると結果的に、新しいアイディアが生まれてきたり思わぬエネルギーが出てきたりして結構楽しかったりします。
忘れもしないのが、社長から「私の部屋のパソコンのネットがつながらないので、夕方までにつながるようにしておいてください」と頼まれたときのことです。私はパソコンにはぜんぜん詳しくありません。電話で業者に聞いていろいろ操作したりしましたがつながりません。数時間経って「ああ」と気が抜けた瞬間に、パソコンのケーブルが目に入りました。それを別のものと交換したらネットがつながりました。原因はケーブルの劣化だったようです。
そう、引き受けてみなければわからないのです。引き受けることでエネルギーもでるし発想も出てくるのです。「劣化を知らせてくれるケーブルはできないかな」と新たな商品も思い付きます。いいアイディアかどうかは置いておいて・・・。
無責任に引き受けてはいけないなどと批判されることもありますが、今のところそれで大きな失敗をした事はありません。
「自分はついついできない理由を思い付いてしまっているかもしれない」と気が付いたら半分、解決したようなものです。
そういう自分に気が付いたら私はただそれを受け入れます。
受け入れることが難しいという方は、心=自分、と思っているからかもしれません。生き方や心の勉強をするかたこそ、汚い心から目をそむけがちになってしまいます。
私は、自分の心も「ただ起こること」と捉えています。そうすれば受け入れやすいようです。
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